公職選挙法は「(選挙が)民主主義の健全な発達を期すること」(1条)を目的としています. 選挙をひかえて、この目的に反する行為が目立ちます.
例1: 「21世紀臨調」は、選挙をひかえて「党首会談」として自民党・民主党を出席させ、他党を排除する「党首会談」を主催しました(2009年8月12日). このように、多数党にかたより、少数党を除外する公開の主催は、「民主主義の健全な発達を期すること」に反します.
例2: NHKは、この多数党にかたよった「党首討論」の報道を通じて、両党の論点のみを複数回放送し、これらに対立する他党の論点の放送をこれと平行しておこないませんでした(同年8月12日、13日).放送法は「(放送が)民主主義の健全な発達に資すること」(1条)を目的とし、「放送が政治的に公平であること」(32条)を求めています. NHKのこの放送は、全体として多数党にかたより、放送法に違反し、公職選挙法にも違反しています.
例3: NHKは、2009年8月15、16日にわたりニュースで“参拝は侵略戦争の正当化” と題して
少数野党党首の(街頭演説での)論点を放送しました. これ自体は、靖国関係のテーマで多数党の党首や幹部の論点が複数回放送されていることから、放送法上も、公職選挙法上からも当然といえます. しかし、以下の問題があります.
このテーマに限定しても、NHKの放送は全体として多数党にかたより、これに対立する論点の放送が回数・放送時間などの点で多数党の論点の放送の数分の1にすぎず「政治的(十分に)公平」であるとはいえない.
このテーマ以外の問題については、少数党の論点の放送は数分の1どころか、ゼロであることが多い.
少なくとも、各党の選挙公約に出るような重要な問題では、ある党の論点が放送されるときには、他党の対立する論点も平行して放送するべきで、そうでない現状では、放送法・公職選挙法の違反と考えざるを得ない.
「政治的に公平な放送」は、選挙をひかえた時期だけではなく、日常的におこなわなければ、放送法上・公職選挙法上十分とはいえない.
NHKの放送法違反は、世論・選挙・民主主義をゆがめる. 同時に「受信料支払いを拒む権利(民法533条)や損害賠償請求の権利(民法415条以下)」を発生させている.
改善を求めます.
同文: 中央選挙管理会、都道府県選挙管理委員会、BPO、日本民間放送連盟、テレビ各局、中央・地方新聞社、消費者関連団体、政党など関係先
2009年8月16日
サイト「公平な放送を!」
[NHK受付番号 510118]
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憲法と放送法
いろいろな矛盾があります.
◆「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」とハケン切りの矛盾 ◆政治的に不公平な放送とNHK受信料100%請求の矛盾 裁判で問題解決ができるか? (一部詳略.⇒ 全文) 民法(533条・同時履行の抗弁権)上、受信者には「受信料支払いを拒む権利」が発生しています. このサイトでは、受信者・国民の自覚が高まれば、解決は可能だと考えます. 放送では、政治的に不公平な放送に対して100%受信料請求の動きと、放送改善の動きが、法律的綱引きをも含めて争われてゆくことになるでしょう. しかし、結局は国民の立場で解決することができるでしょう. |